第107章 彼はそんな冷血な人なのか

中野航平は、長谷川栞が突然目を開くなんて思ってもみなかった。

瞳孔がきゅっと縮み、反射的に踵を返して逃げようとする。

「待ちなさい!」

長谷川栞は勢いよく上体を起こし、手を伸ばして照明を点けた。

その視線が、たった一言で動きを止められた中野航平を、まっすぐ射抜く。

「こんなことして、何が楽しいの。中野航平」

――バレた。

中野航平は、声にならないため息を落とす。

「栞。いつ気づいた?」

「夕飯のとき」

栞は回りくどいことを嫌うみたいに、すぐ核心を突いた。

「中野航平、あなた……何がしたいの。言って」

「俺が、ただ単純にお前のことを世話したいだけだって言ったら……信じる...

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